としぶろぐ ~いつもの日常に豊かさを~

東京在住、石油会社に勤めているエンジニアのとしです。海外勤務、英語、育児、資産運用など、日々の生活を豊かにする情報を発信していきます。

埋蔵量って何?

石油開発について語られるときには、必ず埋蔵量という言葉が使われます。

この埋蔵量というのは、一体何でしょうか?

埋蔵量って?

埋蔵量とは、その石油開発会社が所有している油ガス田から将来回収されるとされる石油・天然ガスの権益比率相当分のことです。

ここで注意したいのは、石油・天然ガスは地下に埋蔵されており、我々はその石油・天然ガスがどこまで広がっているのか、どのくらい埋蔵されているのかは完全には把握していません。

というか、誰にも分からないのです。

そこでこの不確実な部分を確率・統計学の知識を用いて、回収される確度に応じて埋蔵量を評価することとなります。

よく用いられるのは、確認埋蔵量、推定埋蔵量、予想埋蔵量の3つです。

特に、確認埋蔵量、推定埋蔵量については、有価証券報告書等で開示している会社も多いです。

ただし、ここで確認という言葉が用いられていますが、実際に目で見て確認されている訳ではないので、絶対にその量が回収されるというわけではありません。

確認埋蔵量の意味は、90%以上の確率でその量が回収されるという意味ですので、逆を言えば、実際の回収量がその量を下回る可能性が10%程度あるということは理解しておいたほうがいいでしょう。   [ad#co-1]

耐用年数って何?

埋蔵量と同じくらいよく使われる言葉に耐用年数という言葉があります。

耐用年数とは、埋蔵量を生産量で割った値のことで、その生産量がおよそどのくらい続くのかを表しています。

よく“石油があと40年で枯渇する”と言われていますが、これは全世界の石油の埋蔵量を全世界の生産量で割った値が40年であるということです。

ここで一つ不思議な話があります。

実は石油があと40年で枯渇すると言うのは、実は1960年代から言われ続けていますが、40年以上経った今も40年で変わりがありません。

どうしてなのでしょうか?

石油は枯渇する?

石油の埋蔵量というのは技術革新によって変わります。

1960年代には無かった石油採掘技術が今はあり、これまで取れなかった石油が取れるようになったのです。

また、石油の埋蔵量は原油価格にも影響を受けます。

原油価格が上昇すれば、その分経済的に回収できる石油・天然ガスが増えることになり、よって埋蔵量が増えます。

それともう一つ、埋蔵量が継続的に増え続けてきた隠された要因があるのです。

開発されるまでの時間制限の問題

埋蔵量を算定する基準の多くで、埋蔵量とするためのルールがあります。

それが開発されるまでの時間制限の概念です。

まだ未生産の油ガス田があったとして、そこから回収される石油を埋蔵量としてカウントするには、5年以内に開発され、生産が開始されなければならないというルールです。

つまり、あと10年後に開発されて生産開始するようなタイムスケールでは、埋蔵量としてカウントすることはできないということです。

ここに耐用年数がずっと変わらなかった秘密があるのです。

油ガス田の開発行列待ち!?

中東など多くの油ガス田が発見されている地域では、その全てが開発されて生産開始されているわけではありません。

各国の石油開発会社にも人的資金的制約はあり、優先順位をつけて順番に開発されていくこととなります。

ここで、発見されてはいるものの未開発の油ガス田を既発見未開発油ガス田といいます。

その既発見未開発油ガス田の数が多ければ多いほど開発待ちの行列が長くなり、開発までの5年という時間制約を満たさないものも出てきます。

ただし、毎年いくつかの油ガス田は開発されていくので、いつかは5年以内に開発される時間制約を満たすときが来ます。

ここではじめて埋蔵量としてカウントすることができるようになるのです。

このようにして、過去、石油・天然ガスの埋蔵量は増え続けて、枯渇がしなかったのです。

それでは、石油・天然ガスは枯渇しないのでしょうか。

石油天然ガスはいつかは枯渇する。

結論から言うと、石油・天然ガスは有限ですので、やはりいつかは枯渇します。

ただし、世界には開発行列待ちの油ガス田がまだ多くあること、また、まだ石油開発のフロンティア地域が残されていることから、しばらくは石油・天然ガスは枯渇しないと考えています。

少なくとも、2100年くらいまでは大丈夫なのではないでしょうか。

ただし、それまでにエネルギーに対するパラダイムシフトが起きて、石油・天然ガスが必要とされなくなる可能性はあります。

まとめ

石油・天然ガスの埋蔵量について各石油開発会社が数字を公表していますが、この数字には多くの意味があります。

なかなか触れる機会がないかもしれませんが、これを理解しておくと後々役に立ちますので、心の片隅にでもとどめておいていただければと思います。

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